遥人を教室に行かせて


裕と2人になった


「・・・なんで 助けたの?」


「嫌だから・・・ 藍実の事


悪く言われるの」


そう言って 裕は私に近付く


ドキン ドキン・・・


思わず俯いてしまう


「・・・だからって


遥人の前で 言わなくても」


気付けば 私は


裕と壁に挟まれていた


「・・・俺は 美咲と別れるから」


「ダメ! だって・・・


そんな事したら」


そんな事したら・・・美咲さんは


1人になる


「俺が好きなのは・・・


藍実だけなんだ」


「じゃあ・・・私は


遥人と別れろって言うの?


別れて・・・裕と付き合えばいいの?」


責めるように 問い詰める


自分でもどうして


こんな事をしているのか


わからなかった


「・・・」


「あの時ね・・・2年前


裕が私の事 忘れてた時


自分を責めたの」


「・・・藍実」


顔を上げると 裕は


心配そうな顔をしていた