こんな事 今更って


思うかもしれない


「もういいよ・・・」


そう言って 裕は


私の涙を指で拭った


「俺は 1度も藍実の事を


恨んだ事ない・・・


ずっと 好きだから


その気持ちは 今でも変わらない」


「・・・裕」


ずるいよ・・・ どうして?


どうして こんな時に


優しくするの?


「大丈夫だから・・・


きっと 美咲も話せば


わかってくれる


そういう奴だから」


「・・・」


私も 遥人には言わなきゃ


ダメなのかな?


裕の記憶が 戻ったって


でも もし言ったら・・・


遥人はどうなるの?


「・・・藍実?」


「ごめんなさい・・・ 少し


考えさせて


それからでも いいよね?」


今は 心の中が


少し何かが絡まっている


そんな状態だった