私は 遥人に甘えていたのかな?


せっかく心配してくれたのに


階段をのぼって 屋上に向かう


ガチャ


ここは あまり人が入らない


少し冷たい風が 涼しく感じた


フェンスに寄りかかって


空を見た


ガチャ


誰かが入って来たのがわかった


「・・・藍実?」


ドキン


そこには 裕が立っていた


手にはスマホがある


「・・・電話?」


「ああ・・・美咲と


さっきまで話してた


まだ・・・話せてないんだ」


「・・・」


そう言いながら 裕は


私の方に向かって歩いて来た


「いいよ・・・ きっと


言ったら 彼女


悲しむと思うから」


私は どうしたいんだろう?


ぎゅ


裕に抱き締められた


「ごめん・・・ 今まで


藍実の事 忘れてて


美咲には話すから


もう少し待ってて欲しい」


ドキン


わかってる・・・


痛いぐらい わかってるよ


でも 私は遥人の彼女なの


「・・・」


「もう・・・絶対に


忘れないから」


その言葉に 涙が頬を伝った