ある日曜日の朝。


「行ってきまーす!」

「あ、ちょっと待って雫!」

「なにー?」

「これ陸に渡してちょうだい。あの子ちゃんと食べてるのか心配だから」



自宅を出る前、

お母さんから渡されたのは
煮物や揚げ物が入ったタッパー。


陸は、

言ってた通り高校を卒業して
すぐ家を出た。


最後までお母さんだけは
渋ってたけど

もう大きいから大丈夫だろう、
ってお父さんが言ったことで
渋々許された。


「寒…っ」



あたし達が禁忌を犯して
もう2年半。

今のところ
順調かのように────、見えてた。