「…おい、陸」

「………」

「おい!」



飯田が陸の顔を覗き込む。

陸がハッとして
頭を左右に振った。



「…いや、ないない」

「………」

「俺と雫は、双子だ。そんな夢みたいなことある訳…ない」

「…陸、落ち着けって」

「生まれた時から隣には雫が居たんだ。アルバムにだって載ってた。それに、俺と雫は似てる…」

「陸!」



混乱で取り乱す陸に
飯田がガシッと

両肩を掴んだ。


一呼吸置いて
真っ直ぐと陸を見る。



「…まだ、何も解った訳じゃない。この写真だけでは情報が少なすぎる」

「………」

「いいか?期待はすんな。姉弟じゃないかもしれないって、期待はすんな」