花梨の笑顔を取り戻したら姿を消す。 花梨の本当の幸せが見つかったら俺は目の前から消える。 ずっとそう思って接してきた。 好きだという気持ちを抑え込んで、 理性を保って、 なのに。 「直人さん。僕は頼まれたんです。カリンさんにあなたのことを」 「…俺は花梨を取り戻す」 「直人さん!」 「二度と会わないなんて花梨の口から言わせるべき言葉じゃない!もう一度会ってやる。俺が…俺が花梨を幸せにする」 思えば最初にはなかった感情。 突き動かされるような熱い思い。 花梨を幸せにするのは俺だ。