「…分かった」
カリンはすぐに答えた。
あっさりしすぎて、俺も少し戸惑った。
「じゃあ来てください」
カリンは飲みかけのココアを置いて、俺についてきた。
ついた先はあのVIPルーム。
ここで始まり、ここで終わる。
「カリンさん。僕のこと好きって言ってください」
「…」
「早く」
「…それは」
俺はカリンを壁の方へ追いやり、ドンっと手を後ろの壁についた。
「一度でいい」
「…好き」
「誰が」
「…直人…が」
「…名前、間違えてんだよ」
俺はカリンの唇を自分の唇で塞いだ。
カリンは少し逃げようとしたが、すぐに俺の流れに身を任せた。
激しいリップ音だけが部屋の中に木霊する。
「…カリン、ありがとう」
俺はその言葉を最後にカリンを突き飛ばし、部屋を出た。
そしてすぐ、直人の携帯に電話をかけた。