【泥田直人side】



「…遅い!!!!」


俺の声に周りの客も少しびっくりしていた。

でも俺はお構いなし。



「何話してるんだよ…!」


愁と花梨がVIPルームに入ってからもう1時間はたった。

中で何を話しているのか、もしくはナニをしているのか。



俺は気が気じゃなかった。



それに、愁は…。




俺の大切な人を永遠に奪った奴。



また俺の大切だと思っている人を奪われてしまうのではないか。

そんな嫌な考えが頭をよぎった。


すると、VIPルームが開き花梨が出てきた。


俺はそれに気づき駆け寄ろうとした。

…でも花梨の様子が少しだけおかしかった。


少し顔が火照り、ため息を一度はいたから。

俺は駆け寄るのをやめて、その場に留まった。



「おまたせ」


「…遅い。何話してた」


「ナイショ」


「…おい!誤魔化すなよ」


「…大した話じゃないわ。気にしないで」


「…」