……――――結局、夕飯まで
食べさせてもらうことになった。
「お腹いっぱーい。」
神楽のお母さんってお料理
上手なんだな…。
和の食事一色で、でも
種類が豊富でどれもとても美味しかった。
私、日本に生まれてきて良かった…。
神様に、両親に本当に感謝…。
そんなことを思っていると、
「くるみちゃん。」
「あ、龍雅くん。」
後ろを振り返ると、そこには
龍雅くんがいた。
「ちょっと、そこの縁側で
お話でもしようか。いい?」
「はい。」
なぜか、大事そうな…。
そんな話って感じがする。
聞いておかなきゃって思う…。
縁側に龍雅くんと
腰を掛けて、数分。
龍雅くんが話し出した。
「神楽。あいついいやつでしょ?」
「えぇ。もちろん。」
「口は悪いけど、心は本当に
温かい子でね。」
神楽のこと。
ちゃんと分かってるんだな…。
いいお兄さんじゃん。
「あいつね、この兄弟の中で
一番遊んでたヤツで、いろんな
女と、朝昼晩ってずっと
ほっつき歩いてたんだ。
ま、俺たち一族は、女の力が
ねぇと生きてけ無いわけで…。
そんで、あいついろんな女と
遊んでるもんだから、たまに
女の方は、本気にしちゃう子も
出てくるわけで…。
あいつもあいつで、それなりに
軽い女を選んでたみたいだけど。
もう俺たちお手上げ…。
あいつのやりたい放題
にさせてたわけ。
そうしたらさ、知らない間に
人間界に住んでやがってたんだ。
あいつ、はっきりいっちゃうと、
俺たち一族の中で一番かっこ良かった
から、人気もあって、力も強かった。
人間界でも、人気があって、
それなりにうまくやっていけてた
みたいだった。
若い子のパワーは美味しいから、
高校へあいつは、入った。」
女の子のパワーをもらうために
私たちの高校へ来たんだ…。
意外な真実…。
「そんで、くるみちゃんに出会った。
あいつ言ってたよ。
入った高校に今まで見てきた女より
全然可愛い女の子見つけたって。
こじんまりとしてて、
しゃべる声も可愛くて、
小動物みたいだって言ってた。
そんときからだろうな…。
なんか、あいつ、いい意味で
変わったなって。
必死で、好きな子を追いかけてる
姿が、素直にかっこ良いと思ったよ。
あん時のあいつは、今までで
一番輝いてた。かっこ良かった。
…だから、くるみちゃんには
すげぇ感謝してるし、今のあいつは
俺にとってすげぇ新鮮なわけ。」
クスッと笑った龍雅くん。
神楽のことちゃんと
見てるんだな。
やっぱり、一番上のお兄さんだけある。
しっかりしてるな…。
「ごめんな。こんな長々と。」
「全然っ…!さすがお兄さん
って思いましたっ…!!」
「はは。初めて言われた。
照れるな…ありがと。」
少し、頬を赤らめて
お礼を言う龍雅くんを
少し可愛いと思った。
「神楽に見つかったらヤバイから、
くるみちゃん、もうあいつの
部屋に戻っておきな?」
「あ、はい。」
「じゃぁね。」と龍雅くんに
手をふられ、縁側でお別れする。
長い長い廊下を歩いて
神楽の部屋に戻る。
ここのお家。
本当に和って感じの家。
てか、広すぎ。
部屋数いくつあるの?!
迷いそうになる。



