「………」
多分私の赤い顔を見て驚いているであろう蓮と少し距離をとって、口を開いた。
「ああ。えーと。蓮、あのね」
ああ、この先なんて言おう。
蓮のことだ。どう言ったって怒るに決まってる。
だって前の真弥さんに対しての態度は酷かった。
そして今回、怒りの矛先は、
――――間違いなく私になるだろう。
もうどうにでもなれ!と覚悟して口を開こうとしたとき
ピンポーン………
ん?
ピンポンピンポンピンポンピンポン…
明らかにそれは私の開きかけた口から出た効果音ではなく、
『……ちょっと!!えっと、莉子?…!!蓮はまだ!?…蓮っ、そこにいるの?』
インターホンを押すと家の中と外で会話できるシステム。
………真弥だ。
私は胸の前で十字架をつくった。
蓮、絶対怒ってる…。

