「いや、別に蓮は真弥…さんについて何も言ってないので………。」
わかりやすくしゅんとする真弥。
ああ、分かった。
多分真弥は蓮に会いたいんだけど
蓮の場所がわかんないとかで私に教えてもらおうとかしてるんだ。
…めっちゃ素直じゃないな。
「…蓮に会いたいの?」
直球すぎたと後悔。
真弥は顔を赤らめて顔を横にブンブン振った。
「いえ!私は会いたくなんか……でっでも、蓮の方はさぞかし会いたがってるだろうなって……」
ああ、やばい。
彼女は今すぐにでも泣きそうだった。
「…わかった。着いてきて」
気の毒に思えてきた私は家まで真弥を連れていくことにした。
「あっつーーーい!」
外に出るなり彼女はそうシャウトして、すれ違う人達に見られるわ見られるわ。
真弥も見覚えのあるはずの家までたどり着く。
「あっ…ここ、前の…蓮をストーキングしたときの家……」
ストーキングという単語は聞こえなかったフリして私は「ちょっと待ってて」と真弥に言って中に入った。
リビングでは蓮が私を見るなりスマホを置いて近寄ってきた。

