……!??? 唇に今までなかった温度と感触。 生温かくて驚くほど柔らかくて。 目の前には長いまつげが揺れていた。 それがキスだと判断するのにあまり時間を要することはなかった。 むしろキスだと判断してからが長くて。 今、私と弟の唇が触れあっていてキスって恋人とかでするものでなのに私達はキスをしていて… 優しいキスに成す術もないまま私はずっとそんなことを考えていた。 しばらくして―――実際はほんの数秒だが長く感じられた――唇は離れ、蓮は女の人に向き直った。