急に話題を変えた私が悪かったのかどうなのか一瞬の沈黙の後、沖田さんは満面の笑みになった。


「嫌です(ニコッ」


「嫌です(ニコッ
じゃ、ありませんよ。何でどいてくれないんですか。」


「眠たいからです。」


どいてくれない嫌味のつもりで、沖田さんの言葉をリピートした私。


どんな理由かと答えを待っていたら、なんと理由がそんなこと。


ここに時計はないけど、日の登り具合で行くと六つ(約午前六時)だとわかる。


隊士の起床時刻が七つ半(約午前5時)だから、とっくに沖田さんたちが起きていてもおかしくない。


女中は五つ(午前8時)まで二ご飯を作れば、何時に起きてもいいので私はまだ寝ています。


この時代の人々には、時間で動くという習慣がないので、太陽を中心に行動をしているそうです。


だけど、何で私がこんなに正確に時間がわかるかというと、小学校で一度は習う日時計をこの時代の時刻バージョンで私のお手製でつくったからです!!


この時代に来たばっかりのころ、時計がなくて不便したのでスマホについている時刻表示をちょこちょこ確認して、頑張って作りました。


おかげで、現代では必須のスマホも鉄の塊と化して、ちゃっかり持ってきている学生鞄の中に入っていたりします。


心配しないで、私に与えられた部屋の押し入れの奥底に眠ってるから。


島原でも、芸子や舞妓さん達にも好評でした。


話がそれたので、元に戻します。


「……………沖田さん、いつも何時に起きてますか?」


「六つ半(午前7時)です。」


おかしいです。皆さんもそう思いますよね?


六つ半と言えば、隊士は朝稽古の真っ最中で、女中はあと少しで配膳ができる感じの時間帯です。


私は初めて見ました。俗にいう社長出勤を、社長でもない人が行うのを…………


「沖田さん、それでよく土方さんに叱られませんね。」


もし土方さんが、沖田さんの行動を見逃してるなら大問題です。それでいいのか浪士組!?とか思っちゃいます。


次瞬間、沖田さんは私の中の土方さんのイメージに疑問を持た焦るようなことを言っちゃいます。はい。