すると、急に俯いた悠斗から俺には聞こえない小さな声が聞こえた。


何と言ってるのか少なからず気付きながらも、あえて聞き返してみる俺。


「翔!!
…で、いいだろ!!」


「ハハッ……
それでいいよ。」


今度は急に顔をあげて、顔をトマトみたいに真っ赤にしながらそう言った悠斗。


その反応を見て、愛玩動物に抱くような愛らしさを覚えた俺。


言っておく、ホモじゃない。


「フンッ!
もう寝るぞ!!」


そう、そっぽを向いて押入れから布団を敷いてる悠斗に、どこで寝ればいいか聞いてみた。


「布団は一組しかないんだ。適当に雑魚寝でもしてろ!!」


「ハァ………
分かった分かった。」


いつの間にか、立場が逆転している俺達。


さっき思ったこと撤回。
こいつ、ただ不器用で照れ屋なだけだ。


この時、初めて俺の五感が外れたけど、なぜか悔しさはなかった。


その代り俺の中に残ったのは、僅かに残るうれしさと明日からへの覚悟だった。


「スー、スー。」


いつの間にか眠っている悠斗。そこから少し離れて寝転がった俺。


大人な俺は←
悠斗の眠りの妨げにならないように、ぬっくりと眠りに落ちていった。





-----そうやって夜は更けていった-----