自己嫌悪という、罪が俺を襲った。


自分がしたことを狂いそうなほど後悔した。


そうしている時だった。あのニュースが流れたのは。


親父を憎んだ、悪いのは俺なのに。


自分の心が泥沼に沈んでいくときだったんだ。親父の言葉に救われたのは。


『俺はお前を守っただけだ、
事務所の社長として………お前の親父として。』


『だからお前はこれからも芸能界を続けろ翔!!』


本当に救われた。


やっぱり親子だなって。そんなこと思っている俺自身も子供で、どうしようもなくガキだなって。


今度は前向きに歩こう。


自分勝手なのはわかってる、自己満足なのはわかってる。今度彰に会ったときは謝ろうって。


そう前向きになれた。


それから、あまり月日がたたないうちに俺は“タイムスリップ”という、非現実的な体験をした。


そこで、彰に謝って許してもらえた。


その時に誓ったんだ、『彰を守ろう』って、だからその誓いを、決意を無駄にしないようにプライドを捨てて彰を守ろうと。


矛盾しているのはわかってる。


自分の誓いと決意を、プライドを捨てて守ろうなんて、俺自身笑える。


だけど本当に俺が守りたいのは、自分の決意や誓いなんてそんな大層なものじゃない。

                           
俺はただ、彰を守りたいだけなんだ。惨めで、かっこ悪く、たとえ無残な最期だったとしても、彰を守れるなら本望だ。


こんなことを言ったら、一条には鼻で笑われるかもしれない。


だけどわかるんだ。


一条とは短い付き合いだが、こいつも俺と同じ、彰を守りたいと思うひとりなんだと。


一条は絶対この提案を受け入れる。