人気女優がタイムスリップ!? ~芸能界⇒島原⇒新選組~

その言葉の意味が分からず、険しい顔でまゆを押せながらそう聞いてくる土方さん。


その顔と、土方さんの口から聞こえたカタコトの“ツンデレ”という言葉のギャップに私は………


「プッ!!
アハハハハハハ!!」


今のギャップは強烈過ぎて、まだ生まれて約18年の私のツボには、しっかりとはまってしまったのです。


「アハハハハハハ!!」


「………………(イラッ」


さっきのちょっとだけシリアスなムードなど、私の笑い声で吹き飛んでしまって、いまだに笑い続けている私は、土方さんの顔が鬼を通り越して般若に。


さっき、私の頭の中の公式が目の前で出来上がってくのを、気付けないでいた。




ゴゴゴゴゴゴゴ………




「八ッ!!」


「おい、お前はその格好で野宿がしたいのか………」


般若を通り越して真蛇の様な形相でそう聞いてくる土方さん。


能面の般若とか真蛇は、女の役だけど………


気にしない気にしない。


流石にまずいと思った私は、素直に謝ることにした。


「すみません。
野宿だけはしたくないです。」


えぇ、えぇ。
分かっていますとも。


土方さんの顔が、般若を通り越して真蛇になっていることくらい。


私も、そこまで馬鹿じゃないので、一応反省はしてるし謝りもします。


「………その言葉はお前が作ったのか。」


「その言葉、とは?」


「………テメェ、わざとやってるだろう。」


もう一度、土方さんの口からツンデレという言葉が聞きたかったので、わざと聞き返した私。


だけど、土方さんには気付かれたようです。