ポカッ!
「へ!?」
尻餅をついて後ずさる私に、土方さんは拳骨を作ってその拳を私の頭に少し勢いをつけて落としてきた。
だけど、それは全然痛くなくて、目をつぶって覚悟をしていた私にとっては、あまりにも軽い拳骨だった。
「ハァ………
どうせ、総司あたりが余計なことを言ったんだろう。さっきのはこの拳骨でなかったことにしてやる。」
「あ、ありがとうございます………」
「今夜は、俺の部屋に泊まれ。
いいか、今夜だけだぞ。」
私に背中を向けたまま、夜空に浮かんでいる満月を昼間とは違う。銀色の髪をなびかせながらそう言った土方さん。
その背中は、逞しくて。これから先を不安に思っている私に『大丈夫だ、安心しろ』と言ってくれているように思えた。
「ありがとうございます。」
私は、土方さんの心遣いを、ありがたく受け取りお礼を言った。
「ところで土方さん。
私、いまさらなんですが………
このままここにいてもいいんですか?」
「………本当に今さらだな。
お前は女中だ、鬼だろうとなんだろうと関係ない。
それに、鬼のこの俺が壬生浪士組の副長やってんだ。今さら、女中の1人や2人の正体なんてどうでもいい。」
「………私、土方さんにこそツンデレっていう言葉が似合うと思います。」
みなさんご存知だと思う“ツンデレ”
私は思うのです、土方さんにこそツンデレという言葉が似合うと。
だけど、この時代にはツンデレという言葉はもちろんないわけで………
「つんでれとはなんだ。」
もちろん、言葉の意味を知らない土方さんに意味を聞かれるのは、必然的なわけで………
「へ!?」
尻餅をついて後ずさる私に、土方さんは拳骨を作ってその拳を私の頭に少し勢いをつけて落としてきた。
だけど、それは全然痛くなくて、目をつぶって覚悟をしていた私にとっては、あまりにも軽い拳骨だった。
「ハァ………
どうせ、総司あたりが余計なことを言ったんだろう。さっきのはこの拳骨でなかったことにしてやる。」
「あ、ありがとうございます………」
「今夜は、俺の部屋に泊まれ。
いいか、今夜だけだぞ。」
私に背中を向けたまま、夜空に浮かんでいる満月を昼間とは違う。銀色の髪をなびかせながらそう言った土方さん。
その背中は、逞しくて。これから先を不安に思っている私に『大丈夫だ、安心しろ』と言ってくれているように思えた。
「ありがとうございます。」
私は、土方さんの心遣いを、ありがたく受け取りお礼を言った。
「ところで土方さん。
私、いまさらなんですが………
このままここにいてもいいんですか?」
「………本当に今さらだな。
お前は女中だ、鬼だろうとなんだろうと関係ない。
それに、鬼のこの俺が壬生浪士組の副長やってんだ。今さら、女中の1人や2人の正体なんてどうでもいい。」
「………私、土方さんにこそツンデレっていう言葉が似合うと思います。」
みなさんご存知だと思う“ツンデレ”
私は思うのです、土方さんにこそツンデレという言葉が似合うと。
だけど、この時代にはツンデレという言葉はもちろんないわけで………
「つんでれとはなんだ。」
もちろん、言葉の意味を知らない土方さんに意味を聞かれるのは、必然的なわけで………


