「何で、何で私がこんなっ!!」
「………苦しいのはお前だけだと思うなよ。」
「……………!!!誰っ!!」
私がこの世の理不尽さに、不平等なこの世界に怒り絶望していると、まるでこの世のすべてを知ってしまったような、その上ですべてをあきらめてるような………
でも、それらに必死で抗う意志の強い声が聞こえてきた。
「ひじ、かたさん………」
それは、私の正体が鬼だと一番知られてはいけないであろう相手、土方さんだった。
「“どういうことか説明してもらおう”なんてことは聞かない。
お前、一ノ瀬家は鬼の一族であっているな。」
「………ハハッ、
土方さんはずるいですよ、そんな卑怯な聞き方をして。…本当は聞かなくてもわかっているんでしょう?」
もうすべてがどうでもよくなり、漆黒の黒髪をなびかせながら、あの時のように鋭くて射抜かれるような視線を向けられた私は、自嘲じみた顔と声で語りかけるようにして、そう問う。
「これは確認だ。
俺が信じるのは、自分で見て聞いて感じたことだけだ。」
「厳しいですね、土方さんは。
私よりよっぽど鬼らしい。」
私が、それほどあっさり認めると思ってなかったのか、土方さんは一瞬驚いたような顔をすると、すぐに元の表情に戻って自分の心の内を語りだした。
「鬼、か………
そのくらい厳しくしないと、この時代生きてはいけないからな。自分にも他人にもそう接してきたらいつの間にか鬼の副長と呼ばれていた。
………この呼ばれ方は、結構気に入っている。」
「………いつからですか。
いつから、私が鬼だと気付いていたんですか。頭のいい土方さんが今の今まで私の正体に気付いていなかったとは思えません。」
「………鋭いな、お前も。
でも、半日の付き合いでずいぶん俺を知った気でいるようじゃないか。
まぁ、長々と説明するよりも、実際に見せたほうが早いか。」
「見せる??」
予想外も答えに疑問を持ちながら首をかし出ていると、土方さんは腰に差していた刀を三分の一ほど抜き、その前に自分の腕を持って行ったあと………
そのまま、それを自分の腕に押し付けた。
「………苦しいのはお前だけだと思うなよ。」
「……………!!!誰っ!!」
私がこの世の理不尽さに、不平等なこの世界に怒り絶望していると、まるでこの世のすべてを知ってしまったような、その上ですべてをあきらめてるような………
でも、それらに必死で抗う意志の強い声が聞こえてきた。
「ひじ、かたさん………」
それは、私の正体が鬼だと一番知られてはいけないであろう相手、土方さんだった。
「“どういうことか説明してもらおう”なんてことは聞かない。
お前、一ノ瀬家は鬼の一族であっているな。」
「………ハハッ、
土方さんはずるいですよ、そんな卑怯な聞き方をして。…本当は聞かなくてもわかっているんでしょう?」
もうすべてがどうでもよくなり、漆黒の黒髪をなびかせながら、あの時のように鋭くて射抜かれるような視線を向けられた私は、自嘲じみた顔と声で語りかけるようにして、そう問う。
「これは確認だ。
俺が信じるのは、自分で見て聞いて感じたことだけだ。」
「厳しいですね、土方さんは。
私よりよっぽど鬼らしい。」
私が、それほどあっさり認めると思ってなかったのか、土方さんは一瞬驚いたような顔をすると、すぐに元の表情に戻って自分の心の内を語りだした。
「鬼、か………
そのくらい厳しくしないと、この時代生きてはいけないからな。自分にも他人にもそう接してきたらいつの間にか鬼の副長と呼ばれていた。
………この呼ばれ方は、結構気に入っている。」
「………いつからですか。
いつから、私が鬼だと気付いていたんですか。頭のいい土方さんが今の今まで私の正体に気付いていなかったとは思えません。」
「………鋭いな、お前も。
でも、半日の付き合いでずいぶん俺を知った気でいるようじゃないか。
まぁ、長々と説明するよりも、実際に見せたほうが早いか。」
「見せる??」
予想外も答えに疑問を持ちながら首をかし出ていると、土方さんは腰に差していた刀を三分の一ほど抜き、その前に自分の腕を持って行ったあと………
そのまま、それを自分の腕に押し付けた。


