「色々と聞きたいことはあるが、お前が無事でよかった。…じゃないと三条に殺される…」
刀に付いた血を払い鞘に納める土方さん。
「土方さんこそ。
私を心配してくれてありがとうございます(ニコッ」
会話があまりかみ合っていないことに気付きながら、土方さんはあえてそれをスルーした。
「………何で殺さなかった。」
私は少し考えるそぶりをしながら口を開いた。
「だって…
全員殺したら誰の差し金か、自分たちの独断かわからなくなるでしょう?」
「…なるほどな。
でも、今まで島原で働いていた芸子がこの状況でで笑っていられるのはなぜだ。」
「…………」
『どうしようかな~』
私は土方さんの鋭い視線に射抜かれながらも、なぜか平常心でいられた。
「おい、答えろ。」
「…………
こんな時代です。町娘1人でも人の死に面することはあります。」
「じゃあ、なぜその町娘一人が浪士を倒すことができた。本当のことを言え。」
「やだなぁ~
私が嘘を言っているとでも?さすがに『鬼の副長』は疑り深いですね。」
それでも、土方さんは無言のまま私に鋭い視線を向ける。
『ダメ、か……』
「確かに、私は家の都合上柔術を習っていました。あんな浪士の5・6人なら無傷で倒せます。
……だけど、人の死に面したことがあるというのは本当ですよ。
まぁ、今も平常心を装ってはいますが、この状況はあまり気持ちのいいものじゃありませんね。」
「お前は何者だ。」
「これ以上は私の問題です。土方さんに聞いてもらうほど面白い話でもありませんよ。それに、秘密の多い女って素敵でしょ?」
「……もういい。
夕餉の準備があるだろう、屯所に戻るぞ。」
土方さんは、私の言葉で何かを悟ったのか、あきらめたのか……
それとも、続けていたらきりがないいつまでも続きそうなこの話題に疲れてしまったのか。話を切り上げて先を歩いていく。
すると………
前方に、腰に刀を差して袴をはいた集団が目に入った。
刀に付いた血を払い鞘に納める土方さん。
「土方さんこそ。
私を心配してくれてありがとうございます(ニコッ」
会話があまりかみ合っていないことに気付きながら、土方さんはあえてそれをスルーした。
「………何で殺さなかった。」
私は少し考えるそぶりをしながら口を開いた。
「だって…
全員殺したら誰の差し金か、自分たちの独断かわからなくなるでしょう?」
「…なるほどな。
でも、今まで島原で働いていた芸子がこの状況でで笑っていられるのはなぜだ。」
「…………」
『どうしようかな~』
私は土方さんの鋭い視線に射抜かれながらも、なぜか平常心でいられた。
「おい、答えろ。」
「…………
こんな時代です。町娘1人でも人の死に面することはあります。」
「じゃあ、なぜその町娘一人が浪士を倒すことができた。本当のことを言え。」
「やだなぁ~
私が嘘を言っているとでも?さすがに『鬼の副長』は疑り深いですね。」
それでも、土方さんは無言のまま私に鋭い視線を向ける。
『ダメ、か……』
「確かに、私は家の都合上柔術を習っていました。あんな浪士の5・6人なら無傷で倒せます。
……だけど、人の死に面したことがあるというのは本当ですよ。
まぁ、今も平常心を装ってはいますが、この状況はあまり気持ちのいいものじゃありませんね。」
「お前は何者だ。」
「これ以上は私の問題です。土方さんに聞いてもらうほど面白い話でもありませんよ。それに、秘密の多い女って素敵でしょ?」
「……もういい。
夕餉の準備があるだろう、屯所に戻るぞ。」
土方さんは、私の言葉で何かを悟ったのか、あきらめたのか……
それとも、続けていたらきりがないいつまでも続きそうなこの話題に疲れてしまったのか。話を切り上げて先を歩いていく。
すると………
前方に、腰に刀を差して袴をはいた集団が目に入った。