一晩立って、立ち直った様子の翔は私達3人と一緒に私がお世話になっていたお店の門の前に立っていた。


「明里姉様…
今まで、お世話になりまじだ~。」


今までこらえていた、とうとう溢れだしてしまい最後は濁点だらけになった私の声。


そんな私の様子を悠斗、翔、明里姉様は苦笑いをしながら見ていた。


「あやなちゃん…
いえ、今は彰ちゃんだったわね。ここを出てもしっかり生きていくのよ!!」


私の肩をつかみながら、大人が子供をあやすように言う明里姉様。あまりの離れていないけど本当の姉ように思っている私は、その言葉で泣きそうになるのを堪えた。


しばらく会えないなら、最高の笑顔で『また会いましょう』の挨拶をしようと思った私は、着物の袖で涙をぬぐい気持ちを改め、明里姉様に向き合った。


「またいつかきます!!
明里姉様、その日まで元気でいましょう!!」


そう言って私たち3人は、明里姉様に手を振りその店を離れた。




「明里姉様って、本当にきれいだよね…」


そう言いながら、うっとりとした表情の私に翔が不満げな表情で答えた。


「彰のほうが、明里ってやつ世にも可愛くてきれいだし…」


「それには1里ある。」


だけど、そういう2人の会話は1人前を歩いていた私には聞こえなかった。


「えっ?
何か言った??」


「なんでもないよ。」


苦笑いをしながらそう答えた悠斗に私は疑問を持ちながら歩いてると、町と島原を区切る門のところに1つの何影が見えた。