人気女優がタイムスリップ!? ~芸能界⇒島原⇒新選組~

「やられた分はやり返す、それが男ってもんよ!!」


叫び声をあげながら、拳を握りしめ前突き出し、翔にちかずいていく原田さん。


そんな原田さんの叫び声が聞こえる中、口を開いた永倉さん。


「あいつは、女好きで酔ったらどうしようもなくバカになるが、あれでも俺達壬生浪士組の幹部やってんだ。さっきは投げ飛ばされてたが、同じ手は2度もくわねぇよ。」


2人の戦いが始まって5分がたったころ、私は口を開いた。


「確かに原田さんは強いです。
なんたって、あの翔に5分も持ってるんですから。」


「え?」


私がそう言う、わけがわからない。といった表情で見てきた永倉さん。


「見てみてください、二人を。
原田さんは息が上がって汗が噴き出してるのに……」


私の声は、最後まで永倉さんの耳には届かなかった。


「ハァ、ハァ…
何で、お前そんなに強いんだよ!!」


その原田さんの大声で、いつものことだろうとお酒を飲んでいた全員が2人のほうを見た。


その場に広がっていた光景に、今までの2人の戦いを見ていなかった全員が驚きで声も出ていなかった。


「ハァ、ハァ、ハァ…」

「ふん、お前もそんなものか…」


そこに広がっていたのは、壬生浪士組の幹部である原田さんが畳に両手両足をつき、汗をかいて肩で息をしている姿だった。