先生は悔しそうに、


「正解だ」


短くそういって、いらつきを紛らわせるように淡々と授業を進めていった。その様子を観察するかのような目で眺めていた私。


「あきちゃんすごいよ!!あの問題私わかんなかったよ~。」


自分のことのように喜んでいる紗代ちゃんちゃんをほほえましく思いながら見ていた。









そして放課後………


クラスメイトは部活へ行ったり、友達や彼氏彼女を誘いながら教室を出ていく。


それを傍目で見ながら、この学校で唯一の友達である紗代ちゃんへ一緒に帰ろうと誘ってみるが……


『ごめんね~、今日先生に呼び出しうけてるんだー』と、と落ち込んでいる様子の紗代ちゃんに言われてしまい残念に思いながらも返した。


「そっか、残念またあしたね。」


1人になった私ははある人物に連絡する。


「あっ、もしもし悠斗?」


「友達と一緒に帰れなくなったからむかえにきてよ。」


「うん、うんわかった。校門の前ね、じゃ。」


  プツッ


ここで、私の自己紹介。


私の名前は一ノ瀬彰(いちのせあきら)
紗代ちゃんには、あきちゃんって呼ばれてる。


私の家は、柔術の名門で私は柔術の有段者。


ちなみにさっきの電話の相手は、一条悠斗(いちじょうゆうと)
私の家の分家で、同じく柔術の有段者。