私はその時、ふと車についている時計を見た。


「ヤバッ、もう8時過ぎてんじゃん。
今日日直なのに~。」


「マジか!こうなったら仕方ない。ちょっと危険だが、あの近道を通るしかないな。」


悠斗はそう言って楽しそうに笑った。


「あ、あそこ通るの…ただでさえこの車でかいのに、あんな狭い道を警察に捕まるギリギリのスピードで走ったら…
あ゛~、あんな怖い思いするくらいなら遅刻して、あのくそじじいに叱られるほうがまだましだ~。」


「ぐだぐだ言ってないで、しっかりつかまれ!舌かむなよ~」


「あんた何ガキみたいな仕返ししてんのよ………
ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~」


私が話している途中で悠斗はあの道を走り出した。







「おっ、通学路見えてきたぞ!!これなら、HR終わる前に教室つきそうだな!!
お~い、彰おきてるかー。」


「あんな道、遅刻するたびに通ってたら気絶しないくらいにはなれるわよ…
って、悠斗前見なさいよ!!!車、車来てるー!!!」


私がそういうと、悠斗はそんなわけないだろう、というようなまで前を向き、
そして叫んだ。



「うわぁ~~~~」



キキーッ


ドンッ!!




悠斗は急いでハンドルを切ったが、間に合わず車とぶつかった……



はずだった…