人気女優がタイムスリップ!? ～芸能界⇒島原⇒新選組～

「だけど……女の子はどうしようもなく怖いものなんです。

無理やり犯されるということはどうしようもなく怖いものなんです!!」


私はどうしようもなく怖かった。


怖くて　怖くて………


どうしようもなく怖かった。


「いきなり怒鳴ってすみません。
だけど……男である飛鳥さんに、その時のの恐怖は分からないはずです。」


黙って私の話を聞いている飛鳥さんは、やっぱり何を考えているかわからなくて。


だけど、ここで私の気持ちを伝えなかったら飛鳥さんはきっと、また同じ道をたどってしまう。そんなことはさせない。いや、させたくないんだ。


「だけど飛鳥さんには見えていたはずです、乙葉ちゃんの姿が。………私は目をそらしたくなりました。」


涙婚が頬に何本もあって。きっと、たくさん涙を流して抵抗したんだろうなって。


目を真っ赤にはらしてる乙葉ちゃんは、その分つらい気持ちだったんだろうなって。


私も、あの時あんな表情をしてたのかな?


乙葉ちゃんも、私の時と同じ様な気持ちになっちゃうのかな?


そう思うと、どうしようもなくやるせなくて。


「その時の乙葉ちゃんの気持ちは私にはわからないし、私が飛鳥さんを責める資格はありません。　

乙葉ちゃんもそんなこと、きっと望んではいないでしょうし。」


きっと、乙葉ちゃんは自分の気持ちを周りの人のためなら押し殺すタイプなんだろう。


そんな純粋な乙葉ちゃんだからこそ、私は乙葉ちゃんを何に代えても守れる。


初めて乙葉ちゃんに会ったとき思ったんだ。あぁ、この子紗代ちゃんに似てるなって。


乙葉ちゃんと知り合って。友達になってまだ少しだけど、心の優しさも共通してるんだって。


別に、乙葉ちゃんを紗代ちゃんの身代わりにしてるつもりはない。乙葉ちゃんは乙葉ちゃん、紗代ちゃんは紗代ちゃんなんだ。


２人には二人のいいところがある。


だからこそ、乙葉ちゃんには傷ついてほしくなかった。


「だからこそ覚えていてください。今回乙葉ちゃんが心に負った傷は、一生心に残るということを。

その上で、私は飛鳥さんに乙葉ちゃんへ誠意を持って謝ってもらうことを要求します!」


「…………」


「彰さん………」


私を呼ぶ沖田さんの声を最後に、昼間とは思えはい真夜中のような静けさがこの狭い空間を襲う。


「………彰っ、ち゛ぁ～ん!!」


「………えっ!?」


しかし、そこ静けさも私の下から突如聞こえた声によって遮られた。