人気女優がタイムスリップ!? ~芸能界⇒島原⇒新選組~

彰 side


「やぁ、待っていたよ。
これで役者は…それったね。」


無我夢中で走った私。
身なりなんて気にしてたら、乙葉ちゃんが私と同じ目に合いそうで。


身が夢中で走りながらも、なぜか浮かんだあの人の顔。


嫌な予感しかしなかった。


あの時あの人は、“裏の世界”と言った。ずっと気になってたけど、私には無関係だと思ってた。


甘かったんだ。
この時代はそんなに甘くないとわかっていたのに……


嫌な予感を抱えたまま、走っていたら道が開けてきた。


やっぱり………私の勘は当たってたんだ!!


「何で………
何で、飛鳥さんがここにっ!!」


飛鳥さんの表情の変化がわかるようになってきたといっても、それが本当の飛鳥さんかわからなかった。


ポーカーフェイスなのか、飛鳥さんの本当なのか。


飛鳥さんがわからなかった。だけど、飛鳥さんが嫌いじゃなかった。


はっきりとわからない飛鳥さんの表情。


「浪士、浪人に襲われる少女と、それを助ける少女。二人の少女の運命はいかに。ってね。」


だけどその時私は、初めて飛鳥さんがほほ笑んだのを見た気がした。


「乙葉ちゃんを離しなさい!」


今は止まっている浪士達の手。
だけど予想はつく、乙葉ちゃんは必死に抵抗していたんだろう。


涙痕(るいこん)が頬に何本もあって、目も真っ赤に腫れている。そんな乙葉ちゃんを見ていると、腸わたが煮えくり返りそうで。


怒りに拳を震わせて、目の前が真っ赤になる。いちいち、一人ずつ理由を聞いていられるほど私は冷静じゃない訳で。


次の瞬間には、体が勝手に動いていた。


「この、外道どもがっ!!」


ダッ!


飛鳥さんを思いっきり投げ飛ばしてやりたいけど、まず最優先は乙葉ちゃんの救出。