『舞衣に恋してる俺』

『舞衣の恋心を知っている俺』はどうしても陽輔の言葉を許せなかった。

「陽輔…それ本気で言ってるのか?

何であいつがスカート穿いてないのか忘れた訳

おまえの写真を撮っていたおじさんが舞衣に一緒に写真撮ってあげるって言ったから

陽輔とのツーショット写真を撮って貰えるのが嬉しくて…

幼稚園の制服のままで撮られるのが嫌で家に帰って着替えて来たんじゃないか!

おじさんが『出勤前で余り時間がないから制服のそのままでいいよ』って言ったから

慌ててスカート穿き忘れたんだろう?

それに舞衣はブスなんかじゃないよ…」

本気で怒った俺に驚いた陽輔が思いも寄らない言葉を口にする。

「…ごっごめん…ホントは舞衣のことブスだなんて思ってない…

ただ僕は学の事が好きだから、いつも一緒に居られる舞衣に嫉妬してたんだ…

やっぱり学は舞衣の事が好きなのか?」


陽輔は俺のことが好き?

舞衣に嫉妬?

陽輔の言葉が頭の中をぐるぐると駆け巡る。