»Side 美央


きっかけは些細なことだった。

ある日の練習後の後だ。

私は着替えようと部室に入ろうとした。

そんなときだ、こんな声が聞こえた。


「美央ってさー、レギュラーに選ばれたからって調子乗ってね?」

「あー、わかるそれ、先輩にも先生にも媚売っちゃってさ。」


―え。

「明日からアイツ、かるーく無視ろーぜ。」

「そーだねー、ウチらのほうがうまいっつーのー。」

そう言って彼女たちは部室のドアを開け、出てきた。

「あ.....美央…」

『お、おつかれ…』

「……」

彼女たちは私を一瞥すると逃げるように帰っていった。