「おい!ユナ!待てって!走んなよ!」 私の足は止まってくれない。 そして、追いかけてきたのはカナトだった。 コウじゃ…なかった。 「くっそ!なんで追いつけね…」 悔しそうな声が聞こえた。 本当にそう思う。もう何年も鍛えてないんだ、私。 なんでこんなに早く走れるんだろう。 きっと、怖いものから逃げてるから。 現実から、逃げてるから。