(…温かい)

その温もりにゆっくり顔を上げると…

親友は泣いていた。

いつも私を引っ張っていってくれる親友が、私の為に泣いている。

こんな私なんかの為に…

『…お願いだから』

その雫が私の右手に落ちた瞬間、私の目からも同じように雫がこぼれ落ちた。

私の中の暗闇が少しずつ、色を付けていく。

親友の言葉によって…

色のない世界が、少しずつ変わっていく気がした。