「……」

まさか内海くんが、私の名前を知っているなんて思いもしなかった。

だってネームプレートには、名字しか書いてないから…

顔を上げると、ジーッと私を見つめる内海くん。

再度、ニコッと微笑んで、

「篠原さんが俺を知らなくても」

と付け加えた。

「…あ、あの…」

「別に責めている訳じゃないよ。
別部署だから知らなくて当然だし」