二人、いやお母さんと三人で2007年を迎えた。
辰士とお母さんはすごく仲がよかった。
あたしは辰士の家族とどうも合わなくて家にもほとんど行ったことがない。

あたしはこの頃から辰士のことを「たっちゃん」と呼ぶようになった。
辰士もあたしのことをたまに「あーちゃん」とよんでいた。
どっからどうみてもラブラブすぎるカップルだ。

制服デェトはずっとあたしの夢だったんだ。
ネットで買ったTIFFANYのペアリングを二人の薬指につけた。
でも…
一ヶ月記念、始まった神戸で大喧嘩。
どうやらあたしが男の話をしたことに気にくわなかったようだ。
あたしは駐車場においてけぼりで大泣きだった。
たっちゃんはすぐに戻ってきたけど、初めての喧嘩に戸惑いをかくせなかった。
それからも喧嘩が多かったけど、いつも最終的にはたっちゃんが謝りにきて仲直りだった。

あたし達にオワリはなかった。

1月27日はたっちゃんの18歳の誕生日。
お母さんと頑張ってケーキを作ってみた。
彼氏の誕生日なんてどうやって祝うものなのかわからなかったけど精一杯お祝いした。
二人の名前が入ったペアストラップをプレゼントした。


空を見る。
星空がきれいで心がぽかぽかした。

「なぁ、なんであの星が輝いてるか知ってる?」

いきなりなんだ…!!

「えーなんで?」

「…それはな、麻姫の輝きに負けへんためやで!!」

「なんぢゃそりゃあ!!!」

何回聞いても飽きないセリフ。
自然と顔がにやけてしまう。
バカみたいなことをゆう、そんなたっちゃんが好きだ。

「指輪」この曲はたっちゃんがみつけた曲。

「なぁ、いい曲やろ?」

[約束します君を残して僕は死ねません]

どんな歌詞やねん!!!

「いいなぁ〜」
なんて言ったけど、さすがに少し重かった。
少したっちゃんの気持ちが重くなったあの頃、あたしは聖ちゃんと再び連絡をとっていた。