「...さ、かき...? だった気がします」 静まり返った部室に、萌衣ちゃんの声が響く。 「......え...?」 あたしの口からはそんなまぬけた声が漏れた。 榊って......あの榊だよね...? 「...そうなの...?」 同じく、陽架里も驚いたような声を出していて。 ゆっくりと陽架里を見れば、視線が交わる。 『...マジで...?』 『...マジっぽい』 なんて、目で会話をしているような感覚になった。