「薫さ...馬鹿?」 「え......馬鹿...?」 「うん」 あ、あたしが...? 「詳しく覚えてるのは当たり前‼︎ つい最近の出来事なの‼︎ 何で薫はいつも覚えてないわけ⁉︎」 ギターを握り潰しそうな勢いで怒鳴ってきた陽架里に、身体を縮こませる。 「あたし...記憶力悪いんです......」 記憶力が悪いのは、どうやったって直せないもん。