「薫がね、この前春山君と一緒に帰ってたって亜真菜が私に言ってきたの」 「......」 ...それは、あの時の事だよね。 春山君がしつこく聞いてきた、あれ。 陽架里は、小さく深呼吸をすると、 「それだけなら私は良かったんだけど......」 そう言って、あたしを見ると、言葉を繋げていく。 「手、繋いでたって。それで、最後にキスしてたって」 .........は? 思わず目を見開いて固まる。 ...そんなの全くの嘘じゃん。