麗華としては何でもない問いだったのに、怜士はぴたりと笑いを止めた。
「いや、純粋な日本人だ。
宮内はスペインだって?」
「ああ、うん。
父親が」
その父親となんとなく体型の造りが似ていて、ハーフかと思ったのだ。
「じゃあ、スペイン語は話せるんだ」
「へ?」
「ああ、聞いたのが間違いだったな」
「あ、今、バカにしたね」
「した」
口の端で皮肉っぽく笑っているが、まっすぐ見つめられるのに、居心地悪くなって思わず視線をそらせた。
「そりゃ、今泉は頭がいいけど」
「どうかね」
なげやりな言い方に、視線を戻したが、怜士はいつもどおりの無表情さだった。

