「いかない」
「ああ、そう」
怜士の返事を予想していたのか、すんなりと受け止めていた。
粘る様子も無ければ、断わられて傷ついた様子も無い。
「ドレスコードが厳しそうだからな。
タキシードなんて持ってない」
からかうように言うと、ちらりと一瞥された。
「ばかにしてる」
「珍しく、鋭いな」
むっつりとした顔になったのに、さすがにからかい過ぎたことを反省する。
「だけど、読モって?
読者モデル?
やってるの?
ああ、まあ、やってそうだな」
「なんで自己完結?」
「思わず」
怜士は苦笑いして、麗華の皿に載っているクッキーをつまみあげた。
甘いものを食べるのを見るのは初めてだった。
一口かじって、眉をしかめる。

