目が合うと、無言のまま、階段を駆け上がっていった。
怜士も追いかけたが、女子トイレの手前までだった。
「なんじゃこりゃ」
蛇口から水が流れる音と共に、麗華の呟き声が聞こえてくる。
「入って、問題なし?あり?」
「なし」
怜士は女子トイレに入って、片眉を上げた。
「水遊びか?」
確かに子供が水遊びをした後のようだった。
掃除用の蛇口にはホースがついているが、そこから水が流れ続けている。
そしてトイレの壁も床も個室のドアもいたるところが水浸しだった。
「なのかなあ」
麗華は蛇口をしめる。
「先生に報告しにいくか」
「うーん。
単なる悪ふざけだったら、このぐらいのレベル、うちの学校はあまり問題じゃないけど」
「けど?」
「うん」
すこし迷うような表情だった。

