「ねえ、ヒロ兄」
「うん」
「あー、えー。
なんでもない」
「どうしたの?」
足を止めて、柔らかく笑いながら見下ろす。
「またにする」
胸がむかむかした理由を聞きづらくなり、麗華は頭をかきながら、階段を降りる。
「そういえば、この間の小テスト、点数が良かったって聞いたよ。
お友達に教わっているんだって?
いいお友達ができたね」
「ああ、うん」
怜士の顔を思い浮かべる。
「そうだね。
結構、遊ばれている気もするんだけど。
でも気が長い奴かも」
「奴じゃないよ」
「人、です」
言葉遣いはうるさく言われる。

