「麗華ちゃん、おかえりなさい。
どうしたの?」
「ただいま戻りました。
うん。
なんだか、よくわからなくて」
「まあ。
お勉強?
お友達に教わっているのでしょう?」
華族の血を引く、生粋のお嬢様の母親に話しても、ずれていく一方な気がして麗華は笑って誤魔化した。
「パパは?」
なぜか麗華の家では、父親はパパ、母親はお母さまと呼ばれている。
多分、それは外見によるのだろう。
「お仕事で食べてきますって。
寂しいわ」
本当に心底寂しそうな上、少し涙ぐんでいる。
大恋愛の末に結婚し、いまだにラブラブだ。
「ヒロ兄は?」
「宏樹さんならお部屋にいるはずよ。
どうしたのかしら?
一枝さんもいらしているのよ」

