「大丈夫。
体で返せとは言わないから」
「げっ。
それも微妙」
「なんで?」
「体で返せと言われるのは、気持ちが無いから、それはそれで嫌だけど。
否定されると、女としても否定されている気分」
「ああ、そういう女心みたいなのはあるわけね」
「何だよ、それ!」
「いや、ちょっと見直した。
骨の髄まで男かと思っていたから。
ほら、車、いたぞ。
じゃあな」
怜士は背を向けてさっさと行ってしまった。
「うわ、なんかムカムカする」
胸やけのようなものを感じて、麗華は胸を叩きながら、車へ乗りこんだ。
腹が立っているのか、でも、なんだか傷ついた気分でもある。
きっとそんなことで釈然としない表情をしていたのだろう。
自室で私服に着替え、ダイニングルームに降りると、母親が首を傾げた。

