「そろそろ帰るか。 途中だが、遅くなりすぎ」 「ああ、そういえば。 ドリル代、払う」 トレーを持ち上げかけていた怜士は、横目で麗華を見た。 「へえ。 その発想、あるんだ」 「意味わかんない」 「お前たちって、やってもらうことが当たり前で、しかもそれに金が絡んでいるというのに気が付かない。 と、言うか金に対して無頓着。 1万円が庶民の千円の感覚だもんな」 「はあ? また微妙にバカにされている気がするんだけど」 「そうか?」 またあっさりと流して店の外へと歩き出している。