見回っていた他の週番も戻って来始めたというのに、一向に帰ってくる様子はない。
その上、週番日誌を書き終えた増田が、またうるさくあれこれと話しかけてくる。
イライラが募っていると、やっと週番も終わる時間に、二人は戻ってきた。
麗華はこの上なく満足そうな顔をしている。
「おまえら遅い。
何してたんだよ。
ちゃんと見回ったんだろな~」
他の週番のブーイングに、麗華はにっと笑った。
「もちろん。
バッチリよ。
あ、全員そろい?
先生呼んでくるねー」
時計に目を走らせて、何気なく怜士と視線が合う。
思わず顔がひきつった。
うわ、なんか怒ってる。
怜士はすっと視線をそらせた。
気まず。
麗華はそそくさと職員室へ向った。
無事、先生の本日終了の掛け声で解放され、バッグを棚からとろうとすると、先に手を伸ばし、取りあげられた。

