「宮内。
相変わらずだな」
マンガ雑誌を置くと立ち上がる。
「そういえば、この間、水井、10組の女子と帰ってたぞ」
「へえ~」
「いいのかー。
婚約者取られるぞ」
「婚約者じゃないし」
「またまた」
「えいっ。
シュート」
「うわっ。
ずるいぞ」
「よし、なに奢ってもらおっかな~」
「げ、そういう話?」
「そりゃそうでしょ。
あ、いい所に帰ってきた。
留守番よろしく」
ちょうど見回りから戻ってきた怜士たちを見て片手をあげると、カフェテリアへスッキップしそうな足取りで向かっていく。
「おい、宮内、待てよ~」
田中は生徒証の入っている財布を掴んで、追いかけた。

