Amarosso~深い愛~の作り方♪


   *

週番のおかげで、以前よりは怜士と親しくなったとはいえ、放課後の時間以外では、声はかけづらかった。

休み時間の合間は、しょっちゅうスマホをいじっているせいでもある。

それで他校に彼女がいるのではないかという噂もあった。

確かに女の扱いに慣れている雰囲気はある。

昨晩のことも聞いてみたいのだが、その日に限って、なぜか校内を回る組み合わせが変わってチャンスが無かった。


麗華がトイレに行っている隙に、3組の週番の女子と、見回りに出てしまっていたのだ。

3組が週番室で待機だったのにも関わらず。

しょうがなく、残っていた3組の男子と待機だ。

じっとしているのが苦手な性分な麗華は、誰かが鞄と一緒にサッカーボールを持ってきているのをみつけた。


「田中。
 パス練してよ」


3組の男子の田中とは幼稚園から一緒だ。