「あれ、今泉?」 きっちりと着物を着た麗華が立っていた。 怜士は固まった。 「どうして・・」 言いかけると、インターホンから、佐和の声が流れた。 「どうぞ、お入りください」 「あ、はい」 慌てて麗華がインターホンへ向き直ったのに、怜士は背を向けた。 「え、っと、今泉」 呼びかけを無視して、そのまま歩き去った。 最悪だ。 明日のことを思い、怜士は憂鬱になった。