「どうかした?」 「何か聞こえなかった?」 「全然」 「そっか。 空耳か」 「宮内の腹が鳴る音じゃないのか?」 「今泉。 カテキョのことがなかったら、問答無用で後ろから飛び蹴り」 「得意そうだな」 「そうなんだよ。 なんせブルースリーのファンだからね」 途端に、麗華の顔が輝きだす。 「まあ、渋いところにいったもんだね。 宮内の周りに知っている奴いるの?」 「今泉がいるじゃないか!」 怜士は冷たく見下ろしてから、さっさと歩き出した。