Amarosso~深い愛~の作り方♪


「うちの場合は、絶対嫌だって言ったら、結婚しなくて済むだろうし、一生独身でも許されるとは思うんだ。
 でもヒロ兄が結婚しなかったら、私がするしかないし、ね」

「それ相応の責任を感じて育っているんだろうから、するんじゃないの?
 義務として」

「どうかな。
 ちょっと難しい状況に、はまってるし」


怜士に答えるというよりも、呟きのようだ。

人が少なくなった校舎の中に二人の足音が響く。

静けさに誘われるように麗華は口にした。


「なりたいものが無いわけじゃないんだ」

「ふうん。
 なに?」

「小学校の先生。
 って、そんなに驚く顔をしなくてもいいじゃない!」