* 「で?」 次の日の週番の見回り早々に、怜士は短く聞いた。 「ええと」 歯切れの悪い回答に、怜士は軽くため息をついた。 「まあ、昨日見て、一日じゃ無謀そうだったしな」 「ハハ」 「初歩からやり直さないとダメだろうな。 後で渡す物がある」 「なに?」 目を輝かせているのに、冷静に釘を刺した。 「食い物じゃないから」 「ちぇ」 「おまえ、なあ。 今、早急に頑張らないと、本当にやばいぞ。 間違いなく、大学に進めない」 「ぐっ」 「まあ、宮内に大学が必要ないような気もするけどな」