* 「サンキュ」 その言い方は、ノリで言われた告白に対するように軽かった。 違うのに。 でもわかっていた。 あえてそういう言い方をしてくれたってこと。 タイプじゃないんだって、ずっとわかってたけど。 彼が去る前に、絶対、言っておきたかった。 だからいいのだ。 結果はわかってた。 自分の震えている息づかいが嫌だった。 「岡﨑さん、何か音楽かけてくれる?」 「はい」 車の中で音楽を流すのを麗華が嫌うため、何も用意していない岡崎はラジオをつけた。