「今泉」 抱いている未練を悟らせないように、あっさりと背を向けて歩き出したところで、声をかけられた。 肩越しに振り返る。 真剣な顔と意志の強い眼差し。 ああ、綺麗だな。 ただそう思った。 「今泉の事。 好きだから] 怜士は自分の表情が止まるのを感じた。 それを無理に動かす。 「サンキュ」 軽く微笑をして、何もなかったように歩き出した。